ミルト
プロローグ
ゴールデンウイーク。
ここでは
大きなパレードが行われる。
朝からやっていて
家族連れやカップル、友達同士など
様々な人がたくさん集まる。
素直にパレードを見に来る人もいれば
そこで開かれる屋台がメインの人もいる。
目的が違えど、
みんな楽しみに来ている。
俺も少なからず
ここにくることが楽しみだった。
暑いし、日焼けするし、
人も多いから彼女は嫌がると思ったけど
さっぱりOKしてくれた。
「まさか、
未来花がボランティアをやるとはね~」
彼女が隣で
笑っている。
「俺がボランティアしちゃ
いけねーのかよ」
「そんなこと言ってないじゃん!」
と頬をぷく~と膨らませた。
「どーしたの?」
そっぽ向いて片腕で顔を隠す自分を
不思議がり、
顔を覗かせてきた。
そんな行為がまた
顔を伏せさせる。