ミルト

次の日
学校に行くと、

未来花は
教室で本を読んでいた。






女子や友達のあいさつを
ことごとく無視している。









本も別に興味があるようには
見えない。

むしろ
めんどくさそうだ。







たまに
人の話を聞いているのかと思えば

「…ああ」

くらいしか話していない。








てか
あれは話していると
言うのだろうか。














にこりともしないし
表情は全く変わらない。

無愛想だ。






いいや、
めっちゃ怖い。








女子は
なぜあんな顔を見てキャーキャー言えるのだろうか。


めっちゃ怖いぞ。

めっちゃ怖いぞ。

怖いよ、怖いよ!?










やはり
未来花はいつも通りだった。


いつも通りみんなにとっては
クールでカッコいい桐山くんだった。








もちろん
私からしたら怖くて怖くて…

怖い。




あまり言うと怒りそうなので、
言い直そう。




私からしたら
冷たくてカッコいい…かは置いといて…。










「姫、
体調悪いんですか?


赤いですよ?」






いきなり
空くんが私のおでこにおでこをくっつけてきた。



「うっえっ、へっえっあうえっっ」




意味不明な言葉を出した。








「なんでもないよ
なんでも。」


「で、でも
おでこ熱いですし…」


「だっ大丈夫だから」








私は教室から
飛び出した。






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