ミルト



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放課後

美化委員の仕事前









俺は
ある人に呼ばれた。


ある人というのは
隣の席の子で"レイちゃん"だ。








レイちゃんは放課後、
俺を見つけるなり呼び止めた。


そこはちょうど
階段の踊り場で人もいなかった。







あるのは
野球部のバットとボールが当たる音や、
吹奏楽部の練習音たちだ。





まだ、
夕日がキレイに入ってくる季節でもないので
白い壁はやや黄色い。










「…?」



呼び止めたのに、
彼女は何も言わない。


俺は特に彼女に用があるわけではないので
言葉が見つからない。







なんか、
沈黙が続いて空気が
重たくなってきた時だった。




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