ミルト
「ううん
大丈夫、気のせいみたい。」
と言ってみるものの
気のせいではない。
…まっ
気のせいにしとこう。
「ねぇ、空くん。
スーパー寄ってもらっていい?」
「えっいいですけど…
姫って料理するんですね」
「あら、
私のことバカにしていらっしゃる?」
車椅子を押してくれる空くんが
あまりにも後ろで笑ってくるので
振り返ってみた。
すると
彼はそのキレイな顔をおもいっきり崩して…
いや
一層整えて笑っていた。
私は
固まってしまった。
彼は変わらず車椅子を
押し続けている。
「姫、
何を作るんですか?」
私は前を見た。
もう
校門の近くまで来ていた。
私は目を見張った。