ミルト
「はい」
目の前いっぱいに
花が映った。
空くんの声で渡された気がするけど
空くんが見えない。
見えるのは
赤やピンク、オレンジのカラフルな
花束。
見ただけで
嬉しくなる、元気になる。
「欲しいですか?」
意地悪な顔が
花束の横から出てきた。
花をもらっても嬉しくない。
そう言う女性もいるけど
やっぱりいざもらうとかなり嬉しい。
世話は大変だろうけど
美しく咲くのを長く見ようと思えば大変だとは思わないだろう。
「欲しい!!!!!!」
完全に"お家の姫喜ちゃん"に
なっていた。