ミルト
しばらく
俺たちは黙って歩いた。
よくあることだった。
俺は元々
あまり話す方ではないし、
いつも彼女の話に頷く程度だ。
「…ねぇ、あすか」
「…ん?」
彼女がいきなり止まるので
俺は振り返った。
なぜか、
掲示板を見ながら立ち止まっていた。
俺も近寄って
隣で眺める。
…あぁ
「去年は…
去年は行かなかったけど、
今年は一緒に行かない?」
レイちゃんは
俺を見上げた。
潤んだ瞳が
とてもキラキラとしている。
少しあの頃に比べて
日に焼けて背も伸びた。
真っ黒な髪はそのままで
ボーイッシュだった髪型は少し女の子らしくないっている。
そんな
可愛らしい彼女。