ミルト


そんな彼女を持ちながら

俺は去年のパレードに
一緒に行かなかった。



去年も今と同じように
誘われたが断った。






今年も
その時期が迫っている。


きっと彼女は
勇気を精一杯振り絞ったのだろう。



一度断られたことをもう一度言うのは
とても勇気がいる。








そんなこと、
わかってる。







いつまでも
アイツ――姫喜を想うわけにはいけないこと

そんなこと、わかってる。




いつまでも
彼女――レイちゃんの優しさに頼るべきではないことは、わかってる。











「…そうだなぁ。

今年は一緒に行こう。」






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