ミルト


「うん!

これでいつでもどこでも
鰹節作れるね!」



「はい!」







二人だけの世界で二人だけが
盛り上がっていた。


とても
幸せそうだ。





ちょっと気になるのは
彼女の声が聞き取りづらいことと
イントネーションが異なる気がする。


男はハーフぽいし
もしかして彼女は外人なのかもしれない。







「じゃあもう
鰹節パック持ち歩かなくていいですね」

と男。



あっ
いつも持ち歩いてたんだ、鰹節パック。







「ナイフ使ってすらなくていいんですね」

と男。




あっ
もしかしてナイフ持ち歩いてたのかなぁ?



それはダメだぞ!?
それは犯罪だ。







「うん!嬉しい!」


やはり大声の彼女。





そんな彼女は鞄から乾燥した鰹を取り出した。




えっ?
鞄から鰹をををををををを!!!!!!!??

と心でつっこむ。









「…あすか、
顔真っ赤だよ?暑い?」

レイちゃんの顔がふいに
映った。





ツッコミを心の中に留めすぎて
身体に熱がたまってしまったらしい。


俺は
謝る変わりに彼女の頭を撫でた。







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