ミルト
レイちゃんの顔は
赤かった。
繋いでいる手をから
熱も伝わる。
中学卒業式から付き合い始めて
彼女はずっと好きという気持ちを与え続けてくれる。
それは
嬉しい。
誰だってそうだ。
好意を向けられることは
誰だって嬉しい。
「あっ神社があるよ!」
彼女は
ちょっと緊張した様子で神社を指した。
そんなに緊張するなら
手を離せばいいのに。
「…」
なつかしい。
あれは
姫喜と行った神社。
二人で書いた絵馬。
「あっお守りもある!
ちょっと買ってくるね!」
彼女は俺を置いて走っていった。
「あっちょっと待ってて下さい!
お守り買ってきますね!」
また
あの鰹節カップルだ。
どうやら
彼氏の方がお守りを買ってあげるらしい。
俺は
お守りを売っている所を見た。
かなりの行列だ。
あれに並ぶのはめんどくさい。
俺は
なんとなくまっすぐ進んだ。
なぜか
お詣りする方は人気がない。
数人いる列に俺は並んだ。