ミルト
「えっ?」
相手はもう一度
声を出した。
一回目は多分、
五円玉の"えっ?"で
もう一回これも多分だが、
私に対しての"えっ?"だ。
私たちはしばらく
静止していた。
お互い口も開かなかった。
この状況から
抜け出したい。
逃げたい。
そのためには
話すとかが一番いいけど
そんなことできるわけないし…。
一緒に来ていた空くんは
お守り買いに行ったみたいだし…。
ほかに
頼れる人もいないし…。
『いたあああぁぁぁぁぁ!!!!』
ここにいんじゃん!!
日本最大、
いや世界最大の頼れるお方が!
私は
神様の方に向き直った。
彼も
つられるようにして見た。