ミルト



ごめん、
ごめんな。




俺は頭を抱えて
泣いた。



ごめん、
ごめん…。








きっと彼女には
この声も届いてないのかもしれない。


それでもいい。


それでいい。








彼女が慌てたように
しゃがんだ俺に手を伸ばした。



俺はずっと
声に出さず泣いた。






ただただ
「ごめん、ごめん」と言うだけだった。











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