ミルト
「苗木さん、
おはようございます。」
キラッキラの笑顔で
挨拶する。
クルックルの頭なのに
サラッサラだ。
金髪だし、
色白だし背高いし…。
まさか朝から
王子様に会うとは。
「おはようございます、王子」
「王子?
それじゃあ苗木さんは姫ですねっ」
いきなり
空くんが視界から消えた。
下を見ると
片膝をついて私の右手を持っている。
「おはようございます、姫」
と
手に唇が触れた。
後ろの下駄箱が大きく揺れた。
「きっ桐山くんおはよー
どうかしたの?」
下駄箱の裏に
未来花とレイちゃんがいるらしい。
「じゃあ、
教室行こうか。」
いつの間にか
空くんは立っていた。
私は慌ててついていく。
(…なんか、
この人と一緒にいると
調子狂うんだよなぁ)