ミルト
「…悩みがあるんなら
いつでも聞くぞ?」
そのときちょうど
鐘がなった。
委員長の姫喜が
号令をかける。
先生は教室を出ていった。
「桐山くん、
どうかしたの?
最近おかしいよね?」
隣の席の女子が言った。
姫喜と仲が良く
レイちゃんと呼ばれている。
「…いや」
と言いながら
横目で二人を見る。
授業も終わり
みんな席を立っているのに二人だけ
座ったままだ。
イライラする。
「…桐山くん?」
相当怖い顔でもしていたのだろう。
レイちゃんは
怯えていた。
ハッとなって、
レイちゃんの頭をなでる。
「…ごめん」
俺は教室を出た。