ミルト


「…あす、か?」








俺は俺の家にいた。

いつもは
帰ってすぐに姫喜の家に行く。

そこで
夕飯を作って彼女の帰りを待っている。






だが、
今日は違う。







家に帰ると
俺が居なかったから家に来たのだろう。


不安げな様子で
扉を開けた。







「未来花、何かあったの?」






俺の姿を見て
改めて心配そうな顔をしてくる。








「別になんでもねぇよ」







言っても、
姫喜の顔色は変わらない。







「だって、だって…」


ガタガタ震えながら
俺を指差す。











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