ミルト




俺は何をしているか?

別に普通だ。




普通に
うどんを作っている。

もちろん
麺から!








「うどんを作るときは
なんか悩んでるときだよね…」






姫喜は
今にも泣きそうだ。


かまわず
俺は麺を踏み続ける。





「…うどん、よね?

パンなら機嫌がいいときで
うどんなら…」






俺は昔から
料理か好きだ。


むしゃくしゃしても
料理。

嬉しくても
料理。



料理があれば
生きていける。







あまりにも料理が好きすぎて
家では作りすぎて
怒られる。



だが、
姫喜は怒らない。



作ったら作った分だけ
食べてくれる。






それが嬉しくて
いまだに毎日ご飯を作っている。








「チャウダーがダルいときで
テンションが高いときは唐揚げで

えっと
うどんはなんだっけ?」







姫喜が何やらメモを取りだし
ブツブツ言っている。


俺は無視して
うどんになる前のその塊を台所に持っていく。







「…用ないなら、

帰れよ。」






未来花ちゃんのノートと書かれたメモ帳を
握りしめ姫喜は俺を見た。



















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