ミルト


「あまったうどん、
明日持って行っていい?」







いいことを思い付いた!
みたいな顔をして笑ってやがる。


どうして学校に
うどんを持って行かなくてはならないのだろうか。


だって
学校には給食があるし、
必要ないはずだ。




特に聞き返すこともなく
黙って調理を続けた。








「あのね、今日聞いたの!
うどんが大好きだって!」







俺の眉が
数ミリ動いた。







「ふー、誰から?」


…かなり棒読みだけどまぁ大丈夫だろう。


「空くんから!」








―プッツン―








俺の中で
何かが切れた。



あっダメだ。







ニコニコと前で笑う姫喜。


それが
なんか悔しくて、

て寂しくて…。







どんどん仲良くなっている二人を
見るのが辛い。



二人の話を聞くのが
辛い。







でも
やっぱり聞きたくて、

二人の話を聞こうとしたり。






いつの間にか
ケータイでやり取りしてるみたいだし、
気が合うみたいだし…。











(…俺が


先に俺が好きになったのに)














そんなことを
考えてしまう自分が情けなくて
哀しい。






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