ミルト
お昼休憩。
保健室で
スヤスヤと寝ていた。
俺たちは
お互いの家を行き来するが
お互いの寝顔を見たことなどほとんどない。
だからなのか
姫喜の寝顔が新鮮だった。
ベットに腰を下ろし、
髪をなでる。
くすぐったいのか
姫喜はフフッと笑った。
あわてて
手を離すがまだ夢の中のようだ。
「ん~?
あしゅか?」
目をこすりながら
彼女が目を覚ました。
まだちょっと頭が
寝ているらしい。
起きたのなら
何か食べるものを持ってこよう。
そう思い立ち上がった。
「んぐっ!」
いきなり
シャツに首を絞められた。
後ろを振り返ると
姫喜がシャツを引っ張っていた。
「どこいくの~!?」
いつもと
なんか違う。
小さい子どもみたいになっていた。
「いやだぁ~
置いてかないで!」
といますぐにでも
泣き出しそうだ。