ミルト
「嫌だって、おい…」
ちょっと困った俺は
手を離すように彼女の腕を取った。
その腕をさらにつかまれ
俺は身動き取れなくなった。
「おい…」
もう、
動くことは許されないらしいので
大人しく座る。
すると
嬉しかったのか安心したのか
ふにゃ~と笑った。
「あしゅか、
だーいしゅきぃぃぃ」
と
握る力が
強くなる。
なんか
腕だけなのに
抱き締められてるみたいで照れる。
姫喜に火照った顔がバレないように
そっぽ向いた。
スーという
寝息が聞こえてきた。
目だけ
彼女の方を見る。
寝たようだ。
俺は
振り返り
まち頭を撫でた。
撫でたところに
そっとキスをする。
「俺も好きだよ…」