ミルト
テイク3
俺は今、
病院にいる。
隣には母がいる。
姫喜の母は…
いない。
父ももちろん
いない。
手術中とある
ランプを眺めていた。
もう
運ばれてきて結構時間がかかっている。
さすがに
不安になってきた。
もしかしたら
あまり時間がかかっていないのかもしれない。
だが
たった数分が何時間にも感じる。
俺は御守りを取り出した。
この前のパレードのときに
二人で買ったものだ。
両手で
握りしめたときだった。
ランプが消えた。