ミルト
「姫、
どうかされましたか?」
俯いて反省していた。
そんな私を心配して
その可愛すぎる顔を覗かせてきた。
まるで私の髪をのれんの様にして
顔を近づけるので驚きで硬直してしまった。
しかも
前の方から未来花の鋭い視線が
刺さってくる。
痛い、痛いよ
その視線。
近い、近いよ
その顔。
赤くなったり青くなったり
色々忙しくする私。
頭から湯気出そうだし
身体は寒いし
頭はクラクラするし…。
―――バッターッン!!!!―――
私は椅子から
落ちた。
オロオロする空くんと
慌てて駆け寄る未来花の声が
聞こえたような気がする。