ミルト
私は体を倒した。
また目を閉じた。
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懐かしい夢をみた。
まだ
お母さんがいたころかな?
まだ
お父さんがいたころかな?
わからないけど
家にだれかいた。
でも
今の家とは違う。
小さい私は
誰かお母さんかお父さんかわからない人に
手を引かれていた。
私は顔を上げてみるけど、
逆光のせいで見えない。
多分
私が顔を覚えていないからだろう。
「どこ行くの?」
舌足らずな口調で
聞く。
でも
黙って手を引くだけで何も言わない。
私は
見覚えのあるマンションに着いた。