years
また2人で空間を過ごしたのが嘘のような日々に戻った。


中3の冬。
その頃、少しだけ、彼に学校で話しやすくなった気がする。
少しだけガードを緩めてくれたような、そんな感触があった。
無口な人だったので、学校で言葉を返してくれるようになった時は、とても嬉しかった。
だけどそんな時間も長く続かず、中3の時間が終わった。


当時の私は、そんな時間がずっと続くと思ってて、学校でも話してくれるようになった彼に約束を取り付けて、3ヶ月ぶりくらいに、春休み家に遊びに行った。
彼が、誰にも見つからずに私を家に招き入れる。
そのおかげで、ご家族がいても、ソッと彼の部屋に入って、本を読んだり昼寝したりして過ごせた。
基本的に、放任主義の家庭のようで、親は彼のプライベートに立ち入らず、その環境が彼の部屋に行くことを可能にしたのだと思う。


よく考えると、もし仲の良いことを公に出来ていたとしたら、ここまで秘密に徹しなかったのかもしれない。
それだけ当時は、煩わしい火種が2人の周囲で見つけられた。
結果、安心して過ごせるのが、彼の部屋となるのはそう時間がかからなかったけど、男女であることに変わりはないのは、当然なことだと思う。


< 25 / 54 >

この作品をシェア

pagetop