years
高2になった。


もうすっかり私は元気を取り戻していた。
完全に彼との関係が元気に比例していた。
春休みかその付近で会ったかもしれないけど、壊れたと思っていた距離も、昔のようにゆっくりと回復しているのが感じられて精神的な安定を取り戻した。
そのときの私は、これからどうしよう、だった。


2人で会うとき、前に比べて、彼と体がほんの少しだけ触れるようになっていた。
なんとはなしに彼が私を腕で寝かせることが普段通りになっていた。
何も言わなくても伝わるものがある2人だったけど、腕を枕にするのを私は多分殆どお願いしていない。
緊張して心臓に悪いからだ。
彼が黙って腕を伸ばして、どうぞということになっていた。


寝返りを打ってうっかりぶつかりそうになっても、彼はあまり避けなくて、むしろずっと向かい合わせの時もあった。
気まずかった。
気付くと足に腕が置かれていることもあった。
どかすと起こしてしまうし、どうしようと困って、時間をやり過ごすこともある。
少しずつ、距離の密度が変わるのを感じていた。


勿論彼は何も言わない。


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