years
そんなつもりじゃないのにと、涙が出そうになった。
ちがうよ、ただ聞きたいだけなのになんでそうなるの、と言うと、彼は慌てて真顔になった。
そこからは教えて欲しいんですけど、それは無理、とか半分じゃれ合いになってしまった。


そのうち途中で形勢逆転していた。
押し倒される体勢になり、落ち着け、そんなに暴れるならキスするぞと彼が言った。
そんな言葉発する人ではなかったので、自分の耳を疑う。
だけど、そうなったら好きってことだよね、と思い、いいよ、と言った。
力で敵わないのは分かったし、このまま最後までいっても文句は言えないと結構な覚悟で答えた。


そうしたら、彼はそう返されると思ってもいなかったのか、一瞬の間が空き「冗談冗談」と私の頭をポンポンと叩いて部屋を出て行った。


この時1人残された私の空虚感といったら、無残なものだった。
泣いた。


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