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2月、バレンタインチョコレートを渡したくて約束を取り付けて会いに行った。


いつから手を出されるようになったのか、もう忘れてきていた。
今回はサラッと器用に手がそこにあった。
ついに下着の中に手が到達してしまった。


もうダメだ、そう思った瞬間、また手は引いていった。
肝試しのように訪れるようになって、私は一体なんなんだろうと思った。
自分の体を奪われても、彼の気持ちを信じたくて、会いに行くようになっていた。
信じるために行っていたのかもしれない。


そして春休み、下着の中から体の表面を手が這っていった。
怖い声を押し殺して、感情ってどこにいったんだろう。


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