years
高3になった。
大学受験を控え、授業が減る。


彼とは学校の帰り、塾を休んで会うようになっていた。
1ヶ月に一度は会っていた。
これまでで最も多い。


一学期が始まる前の休日、珍しくカラオケに行った。
多分歌を聞きたいと私が言ったからだと思う。
こんなにまともに会うのはいつぶりだろう。
もうずっと部屋で過ごしていて、不健康だった。


2人歩く私達を、何故か中学生がデートしてる、付き合ってんだーゎとか囃していった。
そう見えるのか…、嬉しいけど彼の本心は全然知らされないままだ…と思いながら、通り過ぎた。
だけど、もう殆ど付き合ってるようなものだったし、きっと2人の空気が出来上がっていただろう。
言わなくてもお互い伝わるものがあって、周りには2人の世界が感じられたかもしれない。
なんで付き合ってないのか意味がわからなかった。
…私から、付き合おうと言えばよかったかもしれない。


そしてゴールデンウイークの日、彼の指先が私の体に入り込んだ。
怖かったけど、ようやく済んだ。
怖い思いから解放されてホッとした。
同時にこれで自分は汚れちゃったな、と、もの悲しくなった。


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