7月7日
「おはよー美織!」

ポンと背中を叩かれ振り向くと、私の大好きな人の姿があった。

「孝臣!おはよー」

朝、家を出ると孝臣が必ず「おはよー」って言ってくれる。

小さい頃から変わらない事なのに、彼が好きだって気づいてからは、それが凄く嬉しくて。毎日、幸せだと思った。

「なぁ、美織。」

「ん?どうしたの?」

その顔からいつもの笑顔が消えていた。
孝臣はずっと俯いたまま。

彼より身長の低い私は、見上げるように彼の顔を覗き込んだ。

「俺さ...引っ越すことになった...」

「え...」

突然のことで頭が真っ白になる。

「ほんとは、もっと早く言わなきゃいけなかったんだけど...でも、」

「なんで?孝臣が引っ越すなんてやだよ...」

「ごめん...」

そう言うと、孝臣は走って行ってしまった。

今日、告白するつもりだったのに...。

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