7月7日
「え...?」


そう言って上着を私の肩に掛けてくれた。


「たかおみ...」

「つかお前、何泣いてんの?」

「別になんでもない...!」


そうは言ったものの、聴きなれた孝臣の声に安心してさらに涙が止まらなかった。


「...大丈夫か?」


そっと私を抱きしめ、頭を撫でてくれた。

孝臣の匂い。すごく落ち着く。


「...落ち着いた?」

「うん...」


「引越しのこと?」

「え...?」

「...そりゃあ、俺だって寂しいよ。毎日お前に会うことだって出来なくなるわけだし。でも...」

違うの。そうじゃない。
もちろん会えなくなるのは嫌だけど、私が泣いてたのはそういうことじゃない。

「...わかってる。しょうがないことだって。...だから。最後だから、ちゃんと自分の気持ちを伝えたいの!」

「...」

「わ、私ね!孝臣が...っ!?」

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