近くて遠いふたりの距離
ある日、いつものようにバイトを終えて
事務所で着替えていると
ある男の子に話しかけられた。
「名前なんてゆうの?」
「山口です……」
「下は?」
「みか……」
「みかね!俺ともや!よろしくな!」
めちゃフレンドリーなやつだなって
おもった。
背が高くてガタイ良くて。
メガネだけどブスじゃない。
私は男慣れしてなかったから
優しくされると少しでも
気になりそうだった。
でもね。
私にはある欠点がある。
ラインが
男の子とのだけ
続かない。
いままで何度か交換してラインするも
すぐ気持ち悪くなって
ラインを終わらせてしまう。
ともやも、ラインのグループから
追加がきてしばらくしてたけど
すぐに飽きた。
その頃私が片想いしていた相手、
たってぃんだけは
ずっと続いていた。
たってぃんだけだった。
唯一だった。