陥落寸前!?俺様部長に愛されすぎています。
翼にハッキリ振られた次の日。
会社に行けば翼は居て、俺は翼の顔すらまともに見れずに避けていた。
いつも翼に頼む仕事も山岡先輩に頼んで、話もしなかった。
翼が俺の名前を呼べば胸が苦しくなるし、翼の顔を見てしまうと辛くなるから…。
それから俺は仕事でも、翼を避けた。
翼に振られて二週間が経ったある日、お昼休憩の時に亜沙美に呼び出された。
「何だよ…」
「幸太は翼とこのままでいいの?
いつまでも避けてたってきりがないでしょ!」
「仕方ねぇだろ…俺だってどうしていいか分かんねぇんだよ!」
「ったく!男だったらいつまでも女々しくしてんじゃないの!
あんただけが苦しいと思ってんの?」
「えっ?」
「あんたを振った日、翼は泣きながら私に電話してきたんだから!
翼だって断る事に苦しんでいて、やっと自分の気持ちを伝えたの。
本当に翼の事が好きなら翼の幸せを願いなさいよ!」
亜沙美に言われた言葉が俺の胸に突き刺さった。
そうだよな…いつまでもこのままだといけないよな。
「わかったよ…避けるのはやめる。」
「さすが幸太!因みに翼は彼氏が出来たからね?」
「はっ!マジかよ…」
「その彼氏は部長だから!」
「嘘…だろ?」
「嘘とかついてどうすんの?
翼は部長が本社に帰って来る前に出会ってるの。
あの二人は結ばれる運命だったんだよ!
幸太もきっと運命の相手が現れるから翼の事はちゃんと諦めるんだよ?」
マジかよ…部長が相手なんて勝ち目ねぇじゃん。
上司として完璧で尊敬してるし、部長なら翼を幸せにしてくれるかもな…。
だけど…
「お前に言われなくても翼より良い女を絶対に見つけて、翼よりも幸せになってやるよ!」
「フフフッ」
「何笑ってんだよ!」
「もう大丈夫だね?後で普通に話しかけてあげなよ?」
「ああ!」
何だか少し吹っ切れた気がした。
お昼休憩も終わり、俺はオフィスに戻った。