陥落寸前!?俺様部長に愛されすぎています。



✱✱✱


私は目の前の男の人の背中にしがみついた。


「もっと私を壊してっ…」


荒い息と共に男の人に言った。


「もっと俺に溺れろよ!」



ピピピピッ


目を開けると朝で、スマホのアラームを指で止めた。


「またあの夢だ…。」


私はベッドから起き上がると冷蔵庫からミネラルウオーターを取り出してゴクゴクと飲んだ。


最近、よく同じ夢を見る。


その夢はヒロくんと別れた日に出会った名前も知らないイケメンな男の人に抱かれた夢だった。


あれから一ヶ月半が経った今、何かを知らせるように最近はよく同じ夢を見てしまう。


確かにあの時は大胆にも"私を壊して"なんて言ったけど、今考えると恥ずかしい。
それに"もっと俺に溺れろよ!"って言われたけど、あの時はヒロくんの事は忘れて夢中で彼に溺れた。


もう会うこともないのに顔も言葉もハッキリと覚えている。


ま、まさか…私って欲求不満?
そ、そんな筈はないよね、、、。


私は顔を洗い気合を入れて支度をした。


会社に着いてオフィスの中に入り、自分の席のパソコンの電源を入れてると亜沙美が私の隣に来た。


「翼、おはよ!」


「亜沙美、おはよ!」


「この前に話した社長の息子だけど、明日から来るらしいよ!
楽しみだよね〜。」


「そう?」


「もう翼は興味ないよね?」


「無いよ!それに今は男より仕事だよ!」


「彼氏と別れてやっと元気になったんだし新しい恋くらいしてもいいんじゃないの?」


「今はいいよ!それより朝礼が始まるから行くよ!」


そう言って私は亜沙美を連れて自分の机から離れた。


社長が朝の挨拶をして、さっき亜沙美が言っていた通り、社長の息子が明日から本社で働くらしい。


まだ年齢は若いが仕事は出来るみたいだ。
社長の息子は先々では常務になるが、明日からは営業部長として1年間は営業の皆に同行したりして仕事を見ていくらしい。


って事は、暫くは同じオフィスにいる事になるのか。


結構、厳しかったらミスは出来ないし頑張らなきゃいけない。


営業の皆も社長の息子とだけあって何だかソワソワしていた。


いずれは社長になるんだもんね、皆も気を使うよね。


明日からまたオフィスが騒がしくなりそうだな。


私は朝礼が終わり自分の席に戻っていつも通りに仕事を始めた。


だけどオフィス内ではイケメンだと噂になってるから、女性陣は社長の息子の顔が早く見たいと騒いでいた。






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