陥落寸前!?俺様部長に愛されすぎています。



近くにあった喫茶店に三人で入った。


「あの…大丈夫ですか?」


「あなた誰?」


「私の名前は紺野翼で、隣にいる一ノ瀬聡の彼女です。
11月にさっきの式場で結婚式を挙げます。」


「あーわかった!最近は弟やうちの両親がおかしな事を言うし、あなたもうちの両親に頼まれたのね?
達也はもう居ないから諦めて忘れなさいって言われたけどそんなの私は信じてなかったし、三ヶ月前にあの式場で待ち合わせしていたの。
だけど達也は来なくて…
それから少し記憶が無くなってるんだけど毎日、あの式場で達也を待ち続けたらこうして会えたの!
やっぱり両親が達也と合わせないために嘘をついてたんだわ!」


梓さんの話を聞くだけじゃよくわからなくて困ってしまった。


「俺は達也でもないしあんたが誰か知らねぇ!じゃあ俺達は帰るから、翼、行くぞ!」


そう言って私の腕を引っ張り、お金を払うと喫茶店をでた。


数分後にさっきの女性は追いかけてきて叫んだ。


「達也!私を忘れたの?
梓だよ!どうしてまた消えようとするの…」


私は振り返り、梓さんを見ると悲しげな瞳でこっちを見ていた。
その時に誰かが梓さんに近づいてきた。


「姉ちゃん!また病院を抜けだしたんだな?
帰ろう…」


「達也が居たのよ!ほら敦も見てよ!」


梓さんが弟さんに言って、弟さんがこっちを見た時に聡の顔を見て驚いていた。


「達也…さ、ん?…なわけないよな…
だって達也さんは…姉ちゃん帰ろう」


「嫌だ!達也っ!」


梓さんはそう聡に叫んでいたが弟さんは暴れる梓さんを担いでタクシーに乗って何処かへ行った。


勘違いにしては何故か気になってしまい、私は聡に達也って人の名前を呼ぶ梓さんの顔が頭から離れなかった。




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