陥落寸前!?俺様部長に愛されすぎています。




「お待たせしてすみません!」


「いえ!座って下さい。」


私は弟さんにそう言った。


「姉が迷惑を掛けてしまってすみません。
実は姉が言っていた達也さんとは姉の恋人で、さっきの式場で結婚式を挙げる予定でした。
だけど結婚式の打ち合わせで達也さんは仕事で遅れて姉は式場の外で達也さんが来るのを待っていました。
だけど…達也さんが式場の前の信号が青になって走って姉の所に行っている時に居眠り運転をしていたトラックが突っ込んできて、姉の目の前で達也さんはトラックに跳ねられ即死でした。
その事がショックで姉は達也さんがトラックに跳ねられた記憶が消えてしまってるみたいで今でも生きていると思っています…。
達也さんが亡くなる半年くらい前の記憶が曖昧になってるんですけど、一ヶ月前くらいに急に姉が達也が待ってるから行かなくちゃ!って式場に行くようになって、
達也さんとあの式場で待ち合わせはしていたのは覚えてたみたいで…
病院に連れて行って心配だから二週間程入院してたんですけどあの日も抜けだして式場に行って、その時にあなたをみて達也さんだと思ったみたいです。」


亜沙美が言ったように本当に達也さんは亡くなっていた。
達也さんの死は梓さんの心にショックを与えて、認めたくない記憶を消してしまうほど。
事実を知って私がもし逆の立場だと考えるとそれだけで耐えられなくなり涙が溢れた。


聡も理由を知ると何も言えなくて暫く沈黙が続いた。









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