陥落寸前!?俺様部長に愛されすぎています。




私達はお昼を食べるためにハンバーグの専門店にやってきた。


ハンバーグがやってくると部長は美味しそうに頬張って食べていた。


何だかその姿が可愛くて思わずクスリと笑ってしまった。


「何笑ってんだよ?」


「美味しそうに食べる姿が可愛いなと思って。」


「だって旨いから仕方ないだろ?」


そう言ってまたハンバーグを美味しそうに食べ始めた。


ハンバーグを食べ終わると、ショッピングモールに向かい部長の買い物を付き合う事になった。


服や靴を見ては中々、買わないから本当に買い物をする気があるんだろうかと思ってしまった。


部長がお店の中に入っている時に、隣のジュエリーショップが気になって中へ入った。


可愛いネックレスがあってじっと見ていると…


「それが欲しいの?」


そこには部長が居て思わずビクッとしてしまった。


「俺が来たことも気づかないくらい見入ってたもんな?」


「い、いいでしょ別に…
聡こそ買い物はしたの?さっきから見てるだけで買ってないから。」


「何か気に入るのがなくてな!
俺、ちょっとトイレ行ってくるからこの辺りのお店でも見て待ってて」


そう言って部長はトイレに行った。


私はジュエリーショップを出て目に入ったのが赤ちゃんの洋服が売ってる店だった。
小さくて可愛いなと思って眺めていると一人の妊婦の女性と目が合った。


「あれ?翼じゃん?」


「えっ!舞子?」


「うん、私最近、結婚して今はまだ目立ってはないけど赤ちゃんが居るの」


「そうなんだおめでとう!」


「あっ!そうだ…翼に家の旦那を紹介するね!ヒロくん!」


「ん?どうした舞子?」


そう言って現れたのは…
ヒロくんだった。


どうして?何で?
私は動揺していた。


ヒロくんが居たのもだけどそれ以外にも動揺を隠しきれなかった。
だって舞子は私の中学からの友達で、同窓会をした時にヒロくんの写真も見てたし、家にも泊まりにきた時に飾ってある写真も見て顔は知ってる。
それに名前だって年齢だって知ってるよね?


「この子は私の中学からの友達で翼って言うんだ…。」


「初め、まして…舞子の夫です…」


ヒロくんも少し動揺した感じで答えた。


私も「初めまして」と小声で嘘を言った。


「あっ!ヒロくん、これ買うからレジに持っていって支払い頼んでもいい?」


「ああ…」


ヒロくんは逃げるようにその場から離れた。


「どうしたの?何だか顔色が悪いみたいだけど…?
それもそっか!ヒロくんは翼の元カレだもんね?」


クスクスと笑いながら舞子は私に言った。


「どうして…」


「家のおじいちゃんが務める会社にヒロくんが務めていて、翼が丁寧にヒロくんの会社の名前まで教えてくれたし、それに写真を見せて貰ってタイプだったからおじいちゃんに頼んだって訳!
だけど悪いなんて思ってないから!
あんたじゃなく私を選んだんだし?」


私は何も言えなかった…


「じゃあね…」


そう言って舞子はヒロくんの元へと行った。
友達だと思っていたのに…。
結局、私は親友だと思っていた子には裏切られ、友達には計画的に彼氏を奪われた。


私は舞子達のいるお店から離れた。





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