陥落寸前!?俺様部長に愛されすぎています。
「おい!翼!」
私の所に駆け寄って来たのは部長だった。
そっか…私、部長と一緒にきてたんだよね。
私は訳もなく呆然と歩いていた。
「すみません…ボーっとしてて。」
私は無理やり笑顔で言った。
「何があった?お前変だぞ?
それにあの時みたいにお前の顔が泣きそうになってる」
そう言われた瞬間に堪えていた涙が溢れだした。
部長はそんな私の顔を隠すようにして私を駐車場まで連れて行った。
車に乗っても私の涙は止まらなかった。
部長は何も言わずに車を走らせた。
どれくらい走ったのか、私は少し落ち着いた時に部長は車を停めた。
着いた場所は海だった。
「少し歩くか!」
「はい…」
季節は冬で寒かったが、波の音を聞くとさっきよりも落ち着いた。
「なぁ…何があったか話せるか?」
私はコクリと頷き、話をした。
ヒロくんと付き合う前に彼氏と親友に裏切られた事、ヒロくんとの事、さっきの出来事を話した。
部長は最後まで私の話を黙って聞いてくれた。
「結局、私は彼氏を友達に奪われちゃうみたいですね。
凄く好きだったのに別れる時は酷い振られ方だし…だから恋愛するのが怖いんです。
あの日に聡に抱かれた時も彼氏を忘れたかった。」
「そうだったのか。辛かったな!
確かにお前の友達も彼氏も最低な奴だけどさ、良い意味に捉えれば結婚して裏切られるよりもいいと思わないか?
それに簡単に人を裏切る奴はまた裏切る可能性は高い!
だからお前の友達?もお前の元カレに裏切られるんじゃね?
それに俺からすればラッキーだけどな?
お前と出会えたしそれも偶然じゃなく必然だと俺は思ってる。
俺達は出会う運命だったんだなって!
人を好きになると幸せばかりじゃないけど、それでも一緒に居て幸せを感じてたからこそ別れた時は辛い。
そうやって人は強くなるし学ぶと俺は思うし、お前のその悲しみと悔しさをさ違う形で友達に見返してやれよ!」
「どうやって?」
「その友達よりも幸せになるんだよ!」
幸せに…
確かに幸せな時って辛かった事はあまり思い出さないよね。
ヒロくんと付き合って幸せだった頃は元カレも親友の事なんて頭になかった。
何だか部長に救われた気がした。
「聡!ありがとう」
「ああ…まぁ俺がお前を必ず幸せするから早く俺に落ちろよ!」
「そう簡単に落ちないから!」
「お前も言い返すようになったな?
だけどさっきより良い顔になった。
さっ!寒いし車に戻ろうぜ!
今日はお前の手料理をご馳走になるから宜しくな!」
「えー!!」
そう言いながらも部長には感謝してるし料理くらいご馳走してやろう。