陥落寸前!?俺様部長に愛されすぎています。
ヒロくんのマンションを出た途端に涙が溢れた。
大好きだった。
私を呼ぶ声も、優しさも、全部大好きだった。
「ずっと一緒にいような?」そう言ってくれた時は嘘じゃなく本当だったと信じたい。
どうして私って男運がないんだろ。
何だか飲みたい気分になって私は明日が仕事が休みな事もあり、一人でフラフラと夜の街へと向かった。
私は一軒のbarでこれでもかってくらいお酒を注文して飲んだ。
一人で寂しく飲んではヒロくんとの思い出が蘇ってきて涙が出そうになった。
そんな時に私の隣の席に座ってきた男の人が話しかけてきた。
「さっきからずっと飲みっぱなしだけど何かあった?
何か飲んでるだけならまだしも凄く辛そうで泣きそうな顔をしてるけど何かあった訳?」
馴れ馴れしく話しかけてくる男の人の顔を見るとイケメン過ぎて逆に「話しかけないで!」と言うつもりだったが言葉が出なかった…。
私は視線をまたお酒に戻して、飲み干した。
「もう止めとけよ!何があったか知らねぇけどこれ以上飲んだら倒れるぞ?
それにこんな時間だし変な男に捕まったら何されるかわかんねぇよ?」
「…さい」
「はっ?」
「煩い!私の何が分かるって言うのよ!
男なんてもう信じない!
何されるかわかんない?じゃあ…あんたが私をどうにかしてよ!」
もうどうでもいいと思った。
何もかも忘れたかった。
もう恋なんてしたくない…。
また裏切られるかもしれないなら好きになんてならない方がまし。
今の私は誰かに壊して貰いたかったのかもしれない。
すると隣の席に座ってきた男の人が私の腕を掴んで会計を済ませた。
私が「ちょっと!」と言っても勝手に会計を済ませて店の外へと連れだした。
「どうにかして欲しいんだろ?
だったら黙って俺に着いてこいよ!」
そう言って男の人は歩き出す。
だけど私も抵抗はせずにそのまま付いていった。