陥落寸前!?俺様部長に愛されすぎています。
♢ 聡 side
目覚めると俺は翼を抱きしめて寝ていた。
いつの間にか寝てしまっていたみたいだ。
それに翼が何故か俺の腕の中にいる。
温かくてまさに人間湯たんぽだな。
翼の寝ている姿は可愛かった。
翼に初めて会った日、一人でお酒を何杯も飲んでいるのが目に入った。
俺は丁度、海外支店から日本に帰国した日で、学生時代によく食べた定食屋に行って海老フライ定食を頼んで食べた。
日本食は久々だったから特別に美味しく感じた。
定食屋を出て時間があったからよく昔に飲みに行っていたbarに行った。
barでお酒を飲んでいたら一人の女がカウンターに座りお酒を注文した。
その様子を何となく見ていた俺は、次第に目が離せなくなった。
女は何杯もお酒を注文しては泣きそうな顔をし、また飲むの繰り返し。
何があったのか分からないが、何かを忘れたいような…そんな風にも見えた。
だけど流石に飲み過ぎてる女が心配になり声をかけた。
「さっきからずっと飲みっぱなしだけど何かあった?
何か飲んでるだけならまだしも凄く辛そうで泣きそうな顔をしてるけど何かあった訳?」
女は何故か俺を見て一瞬、固まった。
そして視線をお酒に戻してまた飲みだした。
女の顔を見た瞬間、何故かわからないけどこのまま一人にしては行けない気がした。