陥落寸前!?俺様部長に愛されすぎています。
だけど隼人がヒロくんに気付いて走りだした。
「あっ!ヒロお兄ちゃんだ!」
隼人はヒロくんに駆け寄り抱きついた。
それもその筈だ、ヒロくんと去年と一昨年の初詣に一緒に行ったし、家にきてご飯も一緒に食べたんだから…。
お母さんには電話でヒロくんと別れた事は言っておいた。
近所だし、結婚すると言う話はお母さんやお父さんの耳に入るから。
それに隼人もヒロくんに懐いていたから。
私が二人に近づくとヒロくんは困った顔をしていて、舞子も一体、何事?みたいな顔で隼人を見つめていた。
何だかそんな舞子を見てると私が気を使うのもバカバカしくなってきた。
「あれ?ヒロくん久しぶり!舞子も来てたんだ?それにしても偶然だね?」
私は二人に言った。
「ああ…。隼人…大きくなったな?」
隼人の前ではヒロくんもウソは付けなくて隼人の頭を撫でて言った。
舞子は誰?みたいな感じでヒロくんを見ていた。
「何その顔?わざとらしいよね?
舞子は私とヒロくんが付き合ってるのずっと前から知ってたじゃん?」
「えっ…」
舞子は私の言葉に動揺した。
「舞子…知ってたってどういう事?」
「そ、それは…」
「この前にショッピングモールで会った時に舞子が言ってたの!
舞子はたまに家に遊びにきてて、ヒロくんとの写真とか見てたし、何処で働いてるんだとか話してたから初めから知ってたんだよヒロくんの存在を!
たまたま舞子のお爺ちゃんがヒロくんの会社の上司で舞子が計画的に頼んでヒロくんとデートしたんだって!
舞子が私にそう言ってたし。
あっ!だけど心配しないでね?
私は舞子みたいに奪ったりしないし、ヒロくんはもう過去の人だから!
さっ、隼人!帰るよ!」
「はーい!」
「じゃあお幸せに!」
そう言って隼人と二人で歩いて帰った。
後ろでは何か言い合ってる声が聞こえたけど言い訳してんだろうな。
だけどヒロくんに会って感じたのはもうヒロくんは過去の人になっていた。
あんなに苦しくて、悲しくて、裏切らた心の傷はそう簡単には消えなかった。
だけど今はヒロくんを見ても何とも思わなかったのはもう、ヒロくんは過去の人で、私は前に進めてるんだと感じた。
何だか言いたいことを言ったらスッキリして、隼人と二人で家まで走った。
だけど運動不足なのか家に着いたら息が上がったけどね。
実家に居た3日間は凄く楽しくて、隼人にまた少し会えないのは寂しいけど、明日から仕事な私は皆に見送られて自分のマンションに帰った。