shoot some hopes
♡×2
今日は文化祭。
ピロリンッ
「ごめん、今からちょっと時間ある?」
優樹先輩からだった。
「なんかこの格好にも慣れてきたな~笑
ね?柚菜?ねぇ~?」
「あ、ごめん。ちょっと呼ばれちゃって...」
「あ、わかった。終わったらLINEして。」
「うん。すぐ終わる...きっと。」
きっとって言わないと嘘になっちゃうかもって思った。思いたかった。
優樹先輩が教室の前に立っていた。
「ごめんね急に呼んじゃって。」
「大丈夫ですよ。」
誰もいない教室に入った。
なんでだろう...ドキドキする。
人に呼び出されてこんなにも冷静でいられないのは初めてかもしれない。
それは今日が文化祭だからか...
それとも...目の前の人のせいか...
...........................。
「柚菜ちゃんと全然話したことないよね。
最近LINEしたばっかだしね...笑」
「そーですね。」
「なんか言いづらいんだけど...」
神様...お願いします...。
「付き合ってください...。」
フフッ.....
なぜか笑ってしまった。
「え...おかしかった...?」
「いや、ストレートだなって笑」
「あ、いや、ごめん笑」
「もう1回言わせて...」
「はい。」
分かってはいたけど胸がキュッと締めつけられる経験がなくて...悩んでいた答えが確信になった。
「柚菜ちゃんが好きです。俺と付き合ってください...。」
「私はまだ...でも私でよかったら...」
「ほんとに?もちろんこれからもっと仲良くなろう!」
「はい。優樹先輩なら信じられます。」
正直、自分でもびっくりしていた。
ほぼ何もこの人のことは知らない。だけど私の中の私がこの人しかいないって。そう言っているように感じた。