twins cherry
「春翔……聞こえてるから……あ、昼食」
皆の弁当の匂いがしたからか、冬翔くんは体を起こし、鞄から弁当を出して食べ始めた。冬翔くん、いつも寝てるけど食べるときだけは早いな……。
「ごちそうさま。授業始まるまであと30分あるし、屋上いってくる」
早っ……。冬翔くんってマイペースだなぁ……。
「あっ、いたいた、春翔ー!」
「ん? 桃花、どうしたの?」
春翔くんは桃花ちゃんに呼ばれて、「ちょっといってくる」といって廊下に走っていった。私が昼食を食べ終わった頃、春翔くんと桃花ちゃんが戻ってきた。
「琉奈ちゃん、さっきの遊園地にいく件なんだけど、桃花が絶叫系ムリで3人でいくことになったんだけど、それでもいい?」
「ごめん琉奈、私お化けとかの絶叫系が苦手でさ……。3人で楽しんできなよ!」
桃花はそういって私の背中をバシッと叩いた。
「うん……おみやげ買ってくね!」
「ありがと♪ ……あっ、もうチャイムなったね、またあとでね」
桃花は私の耳元で「デート楽しんできなよ♪」といって戻っていった。デートって……、付き合ってないし……!!