twins cherry

「はぁ〜っ、怖かったねお化け屋敷! あっ、あのバナナクレープ美味しそう! 僕、買ってくるけど琉奈ちゃんと冬翔は食べる?」


「うーん、私はクレープよりもジュースが飲みたいな〜」


「俺はコーヒー」


「そっか、じゃあ買ってくるね!」


そういって春翔くんはクレープ屋に走っていった。


「……ねぇ、……冬翔くん」


私はベンチに座っている冬翔くんの隣に座ろうとした。


「……座るな」


「え……」


そ、そんなこと言われても……


「冬翔くんってさ……友達いないの?」


「うっせぇな」


「……なんで……そんなに人と関わりたくないの?」


「……人が怖いから」


……人が怖いからか……


「琉奈ちゃ〜ん、冬翔〜! お待たせ〜!」


沈黙が続いてから5分後、春翔くんが戻ってきた。


「はいっ、琉奈ちゃんのジュースと、冬翔のコーヒー!」


「ありがとう、春翔くん!」


私はペットボトルのふたを開けてジュースを飲もうとしたその時。


「琉奈ちゃんのそのジュース美味しそ〜……一口飲んでいい?」


春翔くんは私の返事を待たずに私の手からボトルを取って飲んだ。





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