twins cherry
「やっぱり! おいしーい♪ ありがとね、琉奈ちゃん!」
そういって春翔くんは私にジュースを返した。こっ、これって、間接キッ……!?そう思いながらもジュースを飲んだ。すると、目の前に人らしきものが立った。
「…………」
それは沢山の風船とチラシを持っているクマの着ぐるみだった。着ぐるみは春翔くんにピンク色の風船を差し出した。しかも春翔くんはその風船をもらったのだ。
「…………ぷっ」
冬翔くんはそれを見て思わず吹き出した。
「春翔……小学生と思われてんじゃね?」
「そ、そんなわけないじゃん! ……あっ、次あれに乗ろうよ!」
太陽が沈みかけた頃にはもう遊園地にきていた人が帰り始めていた。
「次で最後かな……琉奈ちゃん、何に乗る?」
「……じゃあ、あれ!」
私が指を差したのは観覧車。
「観覧車かぁ……冬翔も乗る?」
「帰る。……高いの無理だし」
「えー、じゃ、僕と琉奈ちゃんでいってくるね、冬翔は先に帰ってていいから。はい、鍵」
「んじゃ、またな」
そういって冬翔くんは遊園地を出ていった。
「それじゃ、いこっか」
私達はあまり人が乗っていない観覧車に乗った。