twins cherry


「……あのさ、琉奈ちゃん。冬翔のこと……どう思う?」


春翔くんは窓から景色を見ながらそういった。


「……えっ? ……どうって……?」


「好きか普通か、嫌いか……どう思う?」


「うーん……普通…………かな」


「そっか……。よかった“普通”で」


?……春翔くん……どうしたんだろう。


「じゃあさ……」


すると隣に座っていた春翔くんが私の方に近づいてきて、手を握ってきた。


「……僕と冬翔……どっちが好き?」


春翔くんの顔は暗くて表情はよくわからない。だけど、少しだけ赤くて真剣な瞳だった。


「え……っと……ひゃっ」


観覧車が揺れて、私は春翔くんに抱きついてしまっていた。


「あっ……ごめん……」


「ううん、大丈夫……もうすぐで1周するね」


春翔くんはまだ私の手を握っていた。でも斜め下を向いていて、やっぱり表情はわからない。観覧車を降りたあと桃花にあげるお土産と自分達のお土産を買った。


「あ……琉奈ちゃん、送るよ。もう暗いし」


「うん、ありがと」


私達は電車を降りて少しだけ暗い道を歩いた。





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