twins cherry
Love
「あっ、琉奈ちゃん! 次の授業の教科書、忘れちゃったから見せて?」
教室に戻って一番に話しかけてきたのは春翔くんだった。
「あっ、うん!」
私は春翔くんの机とくっつけて教科書を見せた。本当に……一昨日のあの質問が気になるな……でも、また聞いても『気にしないで』っていわれると思うし……。私はノートに真剣にまとめている春翔くんの横顔を見つめていた。すると、春翔くんは視線を感じたのか、こっちを向いた。
「……琉奈ちゃん、どうしたの?」
「……あっ、なっ、なんでもない! よし、集中しないとねっ!!」
私はペンケースからシャーペンと消しゴムを慌てて出した。
「琉奈ちゃん、それ、……のりだよ?」
「あ……あれっ? あはははー……」
私が持っていたのはシャーペンではなく、間違いなくのりだった。わ、私ってば動揺しすぎ……。すると春翔くんはペンケースからシャーペンを取り出している私を見て、クスッと笑った。
「琉奈ちゃん、ドジで可愛いね!僕、そーゆーところ好きだよ」
「なっ……!?!?」
「青空さん、授業に集中しなさーい」
春翔くんと話していたら、先生に怒られてしまった。……そういえばこの学校に来てからだよね、先生に怒られるの。前の学校では怒られなかったのに……。春翔くんに出会ったから?……ちょっといっておこうかな。