twins cherry
「……ねぇ、春翔くん」
私はノートに写している春翔くんに話しかけた。
「ん? なに?」
「あ、あのさ……、いいづらいんだけどこれからは授業中に話しかけてこないで……? ほら、私達よく怒られてるし」
「そっか、わかった! その分休み時間に沢山話そうね!」
「……うん!」
これで春翔くんは授業中には話しかけてこなくなった。だけど、今度は違うことで悩むことに……。私がああいってから数日後。
「ねぇ琉奈……最近春翔と何かあったの?」
5時間目の体育の時、桃花がそう聞いてきた。
「……えっ?」
「なんか春翔がさー、『どうしよう桃花……僕、琉奈ちゃんに嫌われたかも……』って相談してきたから……何かあったのかなーって」
春翔くんそんなショックだったんだ……意外と細かいこと気にするタイプ……?今だって体調が悪いっていって保健室にいるらしいし……。
「私……春翔があんなに落ち込んでるの始めてみたかも……」
「……桃花、ちょっと抜けるね」
私は立ち上がって桃花にそういった。
「えっ? どこいくの?」
「……保健室。頭痛いから休んでるって先生に伝えといて」
「うん、わかったー」
私は賑やかな体育館を出て保健室にいった。そこは先生がいなくてシーンとしていた。奥のベッドに、ぽつんと靴が置いてあった。あそこに春翔くんがいるのだろう。私はそーっと近づいてカーテンを開けた。
「…………えっ」