twins cherry
そこにいたのは春翔くん。だけど、いつもの笑っている春翔くんではない。瞳から涙を流して嗚咽を繰り返している春翔くんだった。
「……春翔くん……?」
「え……琉奈ちゃ……」
春翔くんはゆっくり私の方を向いた。
「ねぇ琉奈ちゃん……正直な気持ちを聞かせて……?」
春翔くんはベッドから体を起こしてそういった。
「……僕のこと……嫌い……?」
「え……」
「僕ね、よく言われるの。『春翔は明るくって元気だけどもうちょっと静かにして』って……」
「そうだったんだ……でも私、春翔くんのこと嫌いじゃないよ」
私は少し泣き止んできた春翔くんのベッドに座り、春翔くんの頭を撫でてそういった。
「ホント……?」
「うん! この前、あんなこといってごめんね? 私、こんなに春翔くんが傷ついてるとは思わなくて……」
すると、春翔くんはホッとしたからかまた涙がぽろぽろと溢れ出した。
「……うわ〜ん、よかったよー琉奈ちゃんに嫌われでなぐでぇ〜……」
えっ、また泣いてる!?どうしよう……。
「あの……琉奈ちゃん……気持ちが落ち着くまで……抱き締めててもいい……?」
『ダメ!』といいたいけど、もっと泣いてしまうかも知れないので私はしょうがなく……
「うん、わかった、今日だけだよ……?」
といった。私は春翔くんの腕の中に15分包まれていた。