twins cherry
「ここね、あまり人がこないから見えやすいの! しかもあっちより暗いから、より花火がキレイに見えるの!」
春翔くん、地元だから詳しいんだ……
「あっ! 琉奈ちゃん、花火が打ち上がったよ!」
春翔くんにいわれて空を見上げると、色とりどりの花火が打ち上げられていた。
「キレイだね」
春翔くんはそういって私の方を見て、にっこりと笑った。
「キレイだね」
もう、時間を止めてずーっとこうしてたいな……。私、……告白しなきゃ……!!私はドキドキしてる胸をおさえて、口を開いた。
「すっ……、好きです!」
そういった瞬間、今までで一番大きな花火が打ち上がった。……春翔くんに伝わったかなぁ……?
「……今の花火、すごく大きかったね! ……琉奈ちゃん、どうしたの?」
春翔くんは花火のようにキラキラしてる笑顔でそういった。
「……ううん、なんでもない……」
私は少しぎこちない笑顔でそういった。伝わらなかった……。けど私はなんとなくホッとしていたのだった。
〜桃花side〜
「……琉奈、今頃春翔と楽しんでるのかな」
普通なら喜ぶところだけど私は喜べない。だって私は、……好きだから、アイツのこと。自分の気持ちが分からないで琉奈にアドバイスして応援しちゃって、胸が痛い。
「……いってみよう」
私は家を出て花火大会がやっているところに走った。そして、春翔と琉奈が手を繋いで歩いているのを見た。その瞬間、私の瞳から熱いものが溢れだした。
「私……泣いてる……?」
私は家に向かって走り出した。……あの子の方が可愛い。そんなの知ってる。……けど、だけど。
「上手くいかないで……」