twins cherry
〜桃花side〜
もう……なんなのよ!!昨日の冬翔の告白は嘘だったの!?でも……だったらなんで抱きしめたりなんかしたの……?私の勘違い?……冬翔最低……!ベッドに潜って親に知られないように泣いていると、手に持っていた携帯が震えた。
「もしもし、桃花です……」
『あっ、桃花! 今ちょっと話せる?』
「うん。春翔どうしたの?琉奈となにか……」
『そうじゃなくて、……冬翔のこと』
「……冬翔のこと?」
『うん。冬翔から聞いたよ、桃花……ごめんね、傷ついたよね? 嘘だなんていわれて』
「……うん。私、そのあと冬翔の顔面を鞄で殴っちゃって……。痛かったかなぁ……?」
『大丈夫だよ、冬翔怒ってないし! ……それで桃花、明日冬翔と仲直りする?』
「したい……けど、許してくれるかなぁ?」
『うん! 冬翔も謝りたいっていってたよ!!』
「……そっか。春翔、私頑張るね!」
『うん、頑張って! ……あっ、桃花ちょっとまだ切らないで?』
「? なに?」
『あのさ、桃花は……冬翔のこと、好きなの? 異性として』
「!! えっと……うん、好きだよ」
『そっか♪ 安心して、冬翔達にいわないから! じゃあまたね!』
「……明日は頑張らなきゃ……」
私は携帯を枕元に置いて寝た。次の日の休み時間。私は教室を出ようとした冬翔に話しかけた。
「――あっ、冬翔……!!」
「! ……桃花?」
「あの……、ちょっときて!」
私は冬翔の腕を掴んで、階段の踊り場にいった。
「……冬翔昨日はごめんね、鞄で顔面殴っちゃって……」
「俺こそごめんな。……嘘とかいって」
冬翔は視線が右に左に動いている。……いつも素直じゃない冬翔が謝ってくるなんて、なんか不思議だな……。
「……ふふっ」
「? ……なに笑ってんだよ」
「なんでもなーい♪」
私はそういって教室に戻った。