twins cherry

〜桃花side〜


もう……なんなのよ!!昨日の冬翔の告白は嘘だったの!?でも……だったらなんで抱きしめたりなんかしたの……?私の勘違い?……冬翔最低……!ベッドに潜って親に知られないように泣いていると、手に持っていた携帯が震えた。


「もしもし、桃花です……」


『あっ、桃花! 今ちょっと話せる?』


「うん。春翔どうしたの?琉奈となにか……」


『そうじゃなくて、……冬翔のこと』


「……冬翔のこと?」


『うん。冬翔から聞いたよ、桃花……ごめんね、傷ついたよね? 嘘だなんていわれて』


「……うん。私、そのあと冬翔の顔面を鞄で殴っちゃって……。痛かったかなぁ……?」


『大丈夫だよ、冬翔怒ってないし! ……それで桃花、明日冬翔と仲直りする?』


「したい……けど、許してくれるかなぁ?」


『うん! 冬翔も謝りたいっていってたよ!!』


「……そっか。春翔、私頑張るね!」


『うん、頑張って! ……あっ、桃花ちょっとまだ切らないで?』


「? なに?」


『あのさ、桃花は……冬翔のこと、好きなの? 異性として』


「!! えっと……うん、好きだよ」


『そっか♪ 安心して、冬翔達にいわないから! じゃあまたね!』


「……明日は頑張らなきゃ……」


私は携帯を枕元に置いて寝た。次の日の休み時間。私は教室を出ようとした冬翔に話しかけた。


「――あっ、冬翔……!!」


「! ……桃花?」


「あの……、ちょっときて!」


私は冬翔の腕を掴んで、階段の踊り場にいった。


「……冬翔昨日はごめんね、鞄で顔面殴っちゃって……」


「俺こそごめんな。……嘘とかいって」


冬翔は視線が右に左に動いている。……いつも素直じゃない冬翔が謝ってくるなんて、なんか不思議だな……。


「……ふふっ」


「? ……なに笑ってんだよ」


「なんでもなーい♪」


私はそういって教室に戻った。





< 37 / 49 >

この作品をシェア

pagetop