twins cherry
〜冬翔side〜
「……ねぇ冬翔。桃花さ、やっぱり無理してるよねぇ?」
バスケの試合の休憩時間。春翔がそう聞いてきた。
「あぁ。桃花はいつも『大丈夫大丈夫』っていって……」
そう話していると、女子達の方から悲鳴が聞こえた。
「――桃花ー!!」
桃花!?桃花に何かあったのか……!?俺はいつの間にか女子達の方へ走っていた。
「桃花!! ……青空、何があったんだ!?」
「そ、それが……ボールが顔面に当たって『大丈夫』っていった瞬間にバタッて――」
「チッ……だからいったのに……!!」
俺は桃花を抱きかかえて、保健室へいった。
「――先生! いるか!?」
「! どうしたんだ、その子は!!」
「あぁ、体育で倒れました……」
俺は近くにあったベッドに寝かせて、先生に事情を話した。
「……うん、貧血だね。ダイエットで昼食を食べていないことが原因だ。……ちょっと出かけてくるから後は任せたよ。……鍵閉めたりとかするなよ? 冬翔くん」
「……しねぇよ」
そういって先生は保健室を出ていった。