twins cherry
〜桃花side〜
「ん……」
あれから30分後。私は目が覚めたとき、保健室のベッドにいた。……あぁそっか、私倒れたんだった……。
「……お、目が覚めたか」
声がする方を見てみるとそこには、コーヒーを飲んで本を読んでいる冬翔がいた。
「冬翔……? もしかして運んでくれたの……?」
「あぁ、つーかお前全く重くなかったぞ? 腕も細いし」
「そっか。ありがとね、運んでくれて」
「……ったく、迷惑なんだよこっちは。心配かけやがって。だから無理すんなよっていったのに。……ま、桃花が無事でよかったけどな」
そういって冬翔は少しだけ笑った。……素直じゃないなぁ。
「あ、もう授業戻っていいよ?」
「いや、先生に任されてるからまだここにいる」
「ん、そっか。……冬翔?」
冬翔は私のベッドの近くにきて、私の頭を撫でてきた。
「……俺、やっぱ限界かも」
「え? ――わっ」
そういって冬翔はベッドに乗ってきた。
「なっ……冬翔!?」
「好きだ。お前が好きすぎて好きすぎて……俺が俺でいられない」
冬翔……?いつものクールな冬翔と違う冬翔に少し、ドキッとした。
「冬……翔……? どうしたの……?」
「桃花……好きだ」
冬翔はそういって顔を近づけてきた。
「――っ」
「桃花〜っ、起きてる〜?」
その時、保健室のドアが勢いよく開いて誰かが入ってきた。この声は……。
「チッ……、春翔か」
「あっ、冬翔! 桃花元気?」
「あぁ、元気だぞ。……家に帰ったら俺の部屋にこい」
「へ? ……うん。そろそろチャイム鳴るし、またあとでね♪」
春翔はそういって保健室を出ていった。
「……あのさ、桃花」
「うん。なに?」
「今度の日曜に2人で映画観に行かねぇか?」
「……え」
それってもしかして、……デート!?
「だめか? だめなら春翔達にこのチケット渡すけど」
「ううん、いく!」
「じゃあこれ、映画館のチケット。詳しいことはあとでな。俺、教室に戻るから」
「うん、ありがと!」
冬翔はそういって保健室を出ていった。